Web広告のプッシュ型広告とプル型広告の違い、メリットデメリット
プッシュ型広告とプル型広告とは広告手法のことで、プッシュ型広告は文字通り「攻め」の広告、対してプル型広告は「待ち」の広告です。
Web広告でもこの2種類の手法を用い、潜在顧客に対してさまざまなアプローチがされています。
Web広告でのプッシュ型広告の特徴
プッシュ型広告の特徴は、ユーザーの意思に関わらず表示されるWeb広告全般を指します。
不特定多数のユーザーに広告表示を行うディスプレイ型の広告や、動画サイトなどで表示される動画広告、メールマガジンといったWeb広告もこのタイプです。
ユーザーの立場では、たとえばYahoo!のようなポータルサイトのトップページに表示される、「自分にはまったく興味がない新商品の広告」や、「テレビCMのような新商品を訴求している動画広告」がプッシュ型広告の特徴です。
Web広告でのプッシュ型広告の種類
Web広告のプッシュ型広告は以下のようなものがあります。
ディスプレイ広告
広告枠を持つ特定のWebサイトやアプリに表示される、テキスト広告、バナー広告、動画広告などの広告です。
ディスプレイ広告は広告出稿時の入札額や、広告配信を行うWebサイトなどである程度ターゲットの絞り込みができますが、主に潜在層へのアピールを目的に行うタイプの広告となり、プッシュ型広告に分類されます。
メルマガ広告
メールアドレスを登録したユーザーや、特定のサービス等に会員登録しているユーザーに対して配信される広告です。
興味のある分野のメルマガにユーザーが自ら登録した結果、配信されるメルマガであっても広告自体はユーザーの興味がないものが掲載されていることもあり、プッシュ型の広告に分類されます。
動画広告
YouTubeなどの動画配信サイトで見られる動画広告も、不特定多数に配信されるタイプの広告種類があり、プッシュ型広告の一つです。
SNS広告
TwitterやFacebook広告も、それぞれの広告テクノロジーによってある程度広告配信対象を絞り込むことができますが、不特定多数の人間に対して配信も可能なことから、プッシュ型広告と考えることができます。
プッシュ型広告のメリットとデメリット
プッシュ型広告のメリットは以下の通りです。
- 不特定多数のユーザーにリーチできるので認知度アップや拡散力に期待できる
- 商材にまったく興味のなかった潜在層の掘り起こしが可能
対してデメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- 不特定多数への広告となるため多くの人々にとっては興味のないものを売り込まれる点で、一方通行的である
- ユーザーが商材にどれくらい興味があるか見えない状態での広告配信となりニーズが見えにくい
- 成果につながらない広告配信が多くなるため非効率的
- 成果にかかわらず費用が発生するため無駄なコストが多くなりがち
プル型広告の特徴
プル型広告の特徴は、ユーザーがWebサイトなどで商品やサービスの情報収集をしている段階で、Web広告によってアプローチをし、彼らの潜在的なニーズを引き出して購買行動を促進することで、商材の購入につなげていくのが特徴です。
ユーザーの視点で見た場合、自分が欲しい商品や興味があるものを見つけている途中に、検索エンジンを使ったときにテキスト広告が表示されたり、サイト内で一度訪れたWebサイトの商品バナー広告が表示されるケースがプル型広告です。ユーザーが自ら、特定の広告が自分に表示されるように引き寄せた=プル型広告です。
プル型広告の種類
Web広告のプル型広告には以下のようなものがあります。
リスティング広告
リスティング広告は検索サイトなどで、ユーザーがキーワードを入力して検索したワードに関連した広告が表示されます。
このユーザーの検索行動は、ユーザー自身が興味を持っているものや事柄を調べる行動であり、それに対する広告の表示という意味合いで、プル型の広告に分類されます。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、一度広告主のサイトを訪れたことのあるユーザーにターゲティングをして広告を表示する手法です。
リターゲティング広告では、ターゲティングをしたユーザーが別のサイトを閲覧しているときに、広告主の商品広告を表示します。
広告はテキスト広告やバナー広告、動画広告などユーザーが閲覧している広告枠に応じて、広告主が入稿している広告が表示されます。
リターゲティング広告のほうがリスティング広告に比べ、特定のユーザーにピンポイントで広告配信ができることから、より「プル」の度合いが強いと言えるでしょう。
プル型広告のメリットとデメリット
Web広告でのプル型広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 広告を表示するユーザーをある程度絞り込んでいるため、潜在的に商材に興味があるユーザーにアプローチできる
- 成約率の高さ。ユーザーごとに興味の差はあるが、「興味のあること」に対する広告となるため、購買意欲を刺激しやすく、Webサイトへの誘導や資料請求、または購買に至る可能性も十分期待できる
- 見込み客をより効率的に囲い込める点で、Web広告のプル型広告はプッシュ型広告に比べ集客上効率的
- 「商材に興味がある」ユーザーからの問い合わせに対して、双方向のコミュニケーションを通じて成約までつなげられる
デメリット
- 一度に不特定多数のユーザーに対して広告ができない点で、リーチできる人数が少なくなってしまう
- またユーザーが興味を持ってもらえるようになるまで待つ必要があるために成約までの時間がかかる
- 商品自体がよく知られてない場合、信頼性の獲得から商品を知ってもらわなければならないため、広告効果が薄れてしまう
まとめ
プル型広告とプッシュ型広告それぞれ見てきましたが、どちらが秀でているというものではなく、まさに一長一短な特徴を持っています。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえた上で、広告配信側が考えるべきは商材の特徴や業界での立ち位置、顧客層における新規とリピーターの数、顧客単価などを分析し、効率的な顧客獲得が期待できる広告を都度選ぶべきでしょう。
(この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2023年に加筆修正更新したものです)
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