キャッチコピー (catch+copy) とは?作り方や事例
キャッチコピーは、広告などで見られる短い文章で構成された宣伝文句のことです。キャッチコピーには独創的なフレーズや印象的な内容を加え、読み手の心をとらえる目的があります。
キャッチコピーは和製英語で、英語ではadvertising slogan(アドバタイジング スローガン)、あるいはhead line(ヘッドライン)となります。
キャッチコピーはポスターや製品広告、パンフレットなどの紙媒体から、リスティング広告やバナー広告、メールマガジンなどのWeb媒体でも広く見られます。
キャッチコピーの作り方
キャッチコピーで読み手の心をつかむ必要があります。
消費者の目が留まり、読んだ後に感心したり、面白いと感じたり、驚いたりといった感情を引き出すかに注力しなければなりません。
キャッチコピーの作成時は、コピーに注目してほしいターゲットを決めたうえで、広告の目的、何を伝えたいか、どのように伝えるかの青写真を描きます。心に響くメッセージは、伝えたいことと伝えたい相手がはっきりしなければ、作ることはできません。
例えば10代の若者世代に、新聞の小さい文字が見える眼鏡のキャッチコピーを見せたとして、コピーがいかに「上手く」できていても、興味を引くことはできないでしょう。
ターゲットが決まったら、彼らが持っている悩みや不満、課題をリスト化し、それらの解決に役立つのは○○(商品名)であると述べる際に、印象に残るキーワードや単語を上げていきます。
何を伝えたいのかをはっきりさせ、どのように伝えるかを単語やフレーズを組み合わせ、短文を作り、キャッチコピーを完成させます。
重要なのはターゲットの気持ちになって考えること。悩んでいる自分に対してメッセージを送るような気持ちで考えていくと、心に響くキャッチコピーが作れます。
最後に出来上がったキャッチコピーが、瞬間的に理解できる短文か、リズム感があるか、内容に驚きや発見があるか、ベネフィットが記載されているか、適切な表現か、オリジナリティがあるかをチェックして、世に出しましょう。
キャッチコピーで見られる心理学
キャッチコピーには、心理学の知見を応用したものがよく見られます。
多数派の意見をより好意的に捉える「バンドワゴン効果」もその一つです。
これを応用し、「今話題の○○」「大好評~」といったフレーズに換え、キャッチコピーを作るケースがあります。
またバンドワゴン効果の逆でスノッブ効果というものがあります。これは他者の差別化を図る心理現象で、持っている人が少ない=特別感の表出を表します。
「数量限定」「希少価値あり」といったキャッチコピーはこのスノッブ効果を意識しています。
消費者の好奇心をくすぐるため、ツァイガルニック効果を活用したキャッチコピーが見られることもあります。ツァイガルニック効果は、完成されたものよりも未完成なもののほうが興味を引きやすいという心理効果です。
キャッチコピーに○○の秘密、○○の理由といった、すべてを語らない不完全な状態の言葉を入れ、好奇心を煽ることができます。
キャッチコピーの種類と事例
キャッチコピーには、冒頭などにくるキャッチフレーズ、文章中にくるボディコピー、ブランド認知向上に使われるスローガンとタグラインの3つのパターンがあります。
キャッチフレーズとは、文字通り人の心をつかむもので、商品の説明文ではなく、イメージづくりが目的です。
キャッチフレーズの事例
- 「キレてなーい」-シックプロテクター
- 「Hungry?」-カップヌードル(日清食品)
- 「Drive Your Dreams」-トヨタ自動車
など
ボディコピーは、キャッチコピーとは逆に詳細を伝える文章を指します。
キャッチコピーでユーザーの興味を引いた上で、注目に足りる根拠や、商品に関する説明を行う部分です。文章形式ではありますが、冗長な内容や説明くさかったり、キャッチコピーより目立ったりする構成は好ましくありません。
スローガンとタグラインは、ブランド認知向上を目的とした点が同じですが、スローガンは企業の目的や視点を明らかにして共感を集めるために設定されることが多くなります。
スローガンの事例
- 「カラダにピース。」-カルピス
- 「おいしさを笑顔に」-キリン
- 「お、ねだん以上。ニトリ」-ニトリ
など
タグラインは、企業の商品やサービスを通じてその組織の存在をアピールするために役立つキャッチコピーです。
タグラインの事例
- 「インテル、入ってる」-インテル
- 「怒濤の合格みすず学苑」-みすず学苑
- 「ドトールが変わる。街も変わる。」-ドトールコーヒー
など
まとめ
キャッチコピーは、優れた製品、優れたサービスをより多くの人に知ってもらい、購入してもらうまでの気づきや動機付けといった機能を果たしています。機能や内容を理解して上手に活用していきましょう。
(この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです)
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