CMで見るACジャパンとは?運営方法や活動原理や歴史など
ACジャパン(一般財団法人)は、公益社団法人日本民間放送連盟が設立したNPO法人です。「生活と社会を豊かにする」を目指して、公共広告活動を行っています。テレビやラジオを中心に、広告を通じて社会問題を啓発し、人々の意識改革を促す役割を果たしています。
ACジャパンのテレビCMは、そのメッセージ性と映像美で高い評価を受けており、多くの人々に影響を与えています。彼らの取り組みは、社会にポジティブな変化をもたらすための重要な役割を果たしていると言えます。
主たる事務所を東京都中央区に置き、札幌市中央区・仙台市青葉区・名古屋市中区・大阪市西区・広島市中区・福岡市中央区・那覇市と合わせ、全部で8つの事務局で構成されています。
ウィキペディアページ:https://ja.wikipedia.org/wiki/AC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3
ACジャパンの運営
ACジャパンは正会員の民間企業、賛助会員、個人会員の協力で運営されており、活動に必要な資金はすべて会費で賄われています。会費は正会員が一口12万円、賛助会員が1口6万円、個人会員が年6千円です。民間企業や団体がその財産を少しずつ出し合い、社会に対して有益となるメッセージを広告で発信しする活動を行っています。
ACジャパンではその活動を行うために委員会を構成し、この委員会の活動を支えるのは会員社の人員です。彼らの多くは企業の社会貢献活動の一環として、ボランティアとして参加しています。
ACジャパンの歴史
ACジャパンは1971年、大阪万博の翌年に大阪で関西公共広告機構として誕生しています。
誕生のきっかけは、当時のサントリー社長だった佐治敬三氏が、アメリカAC(Advertising Council)の活動に感化され、日本での実現を目指し、団体として発足したことに端を発します。
当時の国内において「環境汚染」「公共マナーの悪化」「人間関係の希薄化」といったことを問題視した佐治氏が、その実情の周知と問題の改善を国民に考えるきっかけを作ることが目的の一つにありました。そうして「企業が少しずつお金を出し合い、世の中のためになるメッセージを、広告という形で発信しよう」という呼びかけのもと、一般企業、メディア、広告会社がそれに呼応し114の会員を集め、活動がスタートします。。
設立初年度の広告媒体費は1.7億円と小規模にとどまったものの、3年後の1974年に社団法人・公共広告機構として認可を受けて全国組織に発展。その後全国8か所に事務局を設置し、現在の体制が整えられました。
その後、2009年には名称をACジャパンと変更。2011年に公益社団法人の認可を受けています。
現在ではACジャパンの正会員数は1000社以上、賛助会員と個人会員を合わせると、設立当初から10倍以上の会員数となり、その規模は当時と比べるとかなり大きなものとなっています。
活動原理
さまざまな問題や災害を目の当たりした社会を少しでも良くしていく。この基本的な理念がACジャパンの活動原理です。それゆえ彼らの活動は広告を営利目的で使うのではなく、広告を通じて人々に考えるきっかけを与え、住みやすい市民社会の実現に貢献することにあります。
活動原理としては、「情報発信」、「啓発」、「意識改革」の三つが挙げられます。
まず「情報発信」
では、広告を通じて社会問題を明らかにし、広く知らせることが目的です。例えば、広告を通じて環境問題や人権問題などについて情報を発信し、社会の関心を喚起します。
次に「啓発」
では、広告によって問題を具体的に可視化し、一般市民の問題認識を高めます。例えば、広告を通じて貧困問題や教育格差などについて具体的な事例や統計データを提示し、社会的な問題の深刻さを伝えます。
最後に「意識改革」
では、問題について深く考え、行動を変えるきっかけを提供します。広告を通じて、一般市民に対して行動を促すメッセージや提案を行い、社会的な意識の変化を促進します。
これら三つの原理が相互に関連し合い、ACジャパンの活動が社会に深い影響を及ぼすことを可能にしています。ACジャパンの取り組みは、社会問題に対する関心と理解を広—-げ、より良い社会づくりに貢献しています。
広告キャンペーン
ACジャパンでは設立からのべ500を超えるキャンペーンを展開し、毎年20種類以上の広告を制作。ご当地CMとして認知されている地方キャンペーンもあります。
定期的に行われるキャンペーンは、7月から翌年6月までを年度とし、決定されたテーマのもと、全国・地方それぞれ行われます。また臨時的に災害支援や海外の団体との国際共同キャンペーンなども並行して行われることがあります。
広告キャンペーンのテーマは、公共マナー、環境問題、社会問題、コミュニケーションなどの普遍的なテーマを扱う一方、世相を反映したものが採用されることが多く、近年では高齢化、携帯電話、医療などの問題を取り上げられました。
このほかにも「あしなが育成会」「骨髄移植推進財団」といった公共福祉活動を行う団体を支援するキャンペーンや、阪神淡路大震災、東日本大震災など災害発生時に臨時的にテレビCMなどを通じたキャンペーンを過去に行っています。
(この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2023年に加筆修正更新したものです)
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