テレビCM広告Aタイムとは
テレビでは、時間帯によって視聴率が異なります。また、放映されるCMの効果や広告料も、時間帯の影響を受けるのです。こちらでは、効果の高いCMを放映するうえで重要な「Aタイム」について解説します。
Aタイムとは、一日のなかで最もテレビCMの単価が高い時間帯のことです。
具体的には、平日の19~23時、土日の18~23時がAタイムと呼ばれます。Aタイムの前半を指す「ゴールデンタイム」、後半を指す「プライムタイム」という通称も一般的です。
AタイムはCMを放映すると高い宣伝効果が期待できる時間帯として認識されています。特に民放各局のAタイムへのCM出稿は、営業上の重要な施策です。なお、テレビだけではなく、ラジオでも同じく「宣伝効果が高い時間帯」という意味で使われます。
AタイムのCM出稿料が高い理由
AタイムのCM放映料が高まるのは、視聴率が理由です。テレビは時間帯ごとに期待できる視聴率のランク「タイムランク」がつけられています。上からA、特B、B、Cと4段階のランクが設けられており、Aタイムは最も高視聴率になる時間帯です。
最高のAランクと最低のCランクの間には、視聴率に10倍程度の開きが生じることもあります。
平日のタイムランク
平日におけるタイムランクは以下のとおりです。
これは一般的なタイムランクであり、実際はテレビ局によって細かな差異があります。
一方で、「19~23時がAタイム」という認識はほとんどのテレビ局で共通です。
時間 | タイムランク |
---|---|
~7時 | C |
7時 | B |
8時 | B |
9時 | B |
10時 | C |
11時 | C |
12時 | 特B |
13時 | 特B |
14時 | B |
15時 | B |
16時 | B |
17時 | B |
18時 | 特B |
19時 | A |
20時 | A |
21時 | A |
22時 | A |
23時 | 特B |
24時 | B |
25時~ | C |
タイムCMの代替となるスポットCM
AタイムにCMを放映すると多くの視聴者の目に留まることになり、告知の効率が向上します。
AタイムにCMを流す方法のひとつが、タイムCMです。タイムCMとは、番組に対して広告料を支払い放映してもらうCMのこと。Aタイムに放送される番組中にCMを流すことも可能です。
一方で多くの予算が必要になる点や番組内スポンサーとの兼ね合いから、Aタイムに放送される番組のスポンサーになってタイムCMを放映するのは簡単ではありません。
タイムCMの代替案として採用されるのが、スポットCMです。スポットCMとは、番組を指定するのではなく、時間帯を指定して放映するCMのこと。指定した時間帯のなかで、ランダムにCMが放映されます。
指定すれば、AタイムにもスポットCMを放映できます。また、曜日を指定できる点や、短期契約も可能なことから、タイムCMよりも柔軟に利用できることが特徴です。
一般的には、大企業などが高予算を投じて打ち出すのがタイムCM、予算が限られている場合に打ち出すのがスポットCMといった使い分けが定着しています。
AタイムCM放映は現代も有効な施策
近年は、インターネットの普及や生活様式の変化によりテレビが視聴されなくなり、Aタイムの効果が低下してきているという意見もあります。
一方で、依然としてテレビが多くの人に情報を届けられるメディアであることは事実です。時間帯による視聴者層の分析を行い、必要に応じてAタイムへのCM放映を行うことが求められます。
Aタイムは主婦、高齢者、帰宅してくつろいでいる成人男女など、幅広い層に視聴されている時間帯です。スポットCMの場合、Aタイムにはターゲットの範囲が広い商材の宣伝や、企業の信頼性・認知向上を目指して出稿すると効果が期待できるでしょう。
タイムCMの場合は番組の内容や出演者から視聴者層を割り出すことで、より明確なターゲッティングができます。
テレビ広告を放映する際は、時間帯、番組といった指標かどんな層が視聴しているのか分析することが重要です。
(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年に加筆修正更新したものです)
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