ブーメラン効果とはコミュニケーション効果
ブーメラン効果とは、アメリカの社会心理学者S.フィッシュバックが発見したコミュニケーション効果のことであり、ある事象の結果に対して、発信者側の意図とは反対の態度を受け手が示し、負の効果をもたらすことです。
例えば、買い物をするつもりでお店に行った際に、店員にしつこく勧められると逆に買う気がなくなってしまうようなケースがそれにあたります。
広告でも受け手の様子をよく観察し、不快感を与えないようにすることが大切です。
政治の世界でもよくあることで、あからさまに「私に投票してください!」と言っている人にあなたは投票したいと思うでしょうか。
また、小さい頃に親から「勉強しなさい!」と言われて「今やろうと思っていたのにやりたくなくなった」といった経験はありませんか。
これらもブーメラン効果の一つといえます。
仕事においても同じことがいえるでしょう。
営業マンが「弊社の商品はこんなに素晴らしいのでぜひ買ってください」といった論法で営業活動をすると、逆に営業先は距離をとってしまいます。
それらを回避するために、相手に選択の自由を与えることが大切です。
営業をして自社製品を売ろうとする場合も、グイグイと押し付けがましくなることは避け、あくまで上手く商品購入へと誘導していくことが、上手な営業方法といえるでしょう。
ブーメラン効果を生み出すには、5つの要因があるといわれています。
まず1つ目が「自分の立場や意見に対して強い責任感があること」です。
誰しもが少なからず自分の立場や意見があり、それと反対の意見を押し付けられると反発してしまいます。
無理に価値観を押し付けずに、互いの意見を尊重しながら意見交換することが大切です。
2つ目に「譲れない信念や価値観に関わる説得が行われた場合」です。
説得されるということは、自分の存在を否定され、攻撃されたように感じてしまうことがあります。
3つ目に「説得を予告されてしまうこと」です。
自分がしっかりと考えた物事に対して、それを今から「説得してやる」という意志が垣間見えると、身構え反発を生む原因となります。
4つ目に「嫌いな相手からの賛同」です。
例え自分の意見に賛同されたとしても、その相手が自分の敵対する人間だった場合、どうしても簡単に賛同しづらく、敵対視してしまうため、結果ブーメラン効果を生んでしまいます。
5つ目に「押し付けがましい態度での賛同」です。
いくら自分の意見に賛同されても、それが押し付けがましい態度の場合は、ブーメラン効果の原因となります。
このような5つの要因に注意して自らがブーメラン効果を発動させてしまわないように注意しましょう。
(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年7月に加筆修正更新したものです)
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