リスクマネジメントとは？種類や対処法、企業の対策事例
企業が組織的にリスクを管理して損失の回避や低減を行うのが、リスクマネジメントです(risk management)。事業活動を行う上で企業の危険回避は必要なものとして、リスクマネジメントへの注目度は高まっています。
損失の回避や低減の方法は、企業によりリスクの内容も異なり対策は様々です。
企業の資産や活動、稼働力がマイナスとならないためにも、リスクマネジメントによる対策は必要不可欠といえるでしょう。企業ごとに内容の異なるリスクに最も適した対応をするには、危険回避や損失によるダメージを最低限へと導く対策が必要です。
今回は企業が成長し発展し続けるための対処法や事例の紹介と、リスクマネジメントが注目される背景や目的について説明をします。
リスクが黄色ランク
リスクの種類と対処
今まではリスクのマイナス面にばかり注目が集まっていましたが、最近はプラスの結果が伴うリスクへの対応にも関心が集まっています。成長に向けた投資を行い、将来的に発生する費用を防止するものがプラスのリスクと呼ばれるものです。
世界的な情報技術の発展や自然災害、企業の自己責任の拡大といった、社会環境の急激な変化によりリスクマネジメントの注目は高まっています。
的確なリスクマネジメントは以下の手順で行い、原因を突き止めて対応をする必要があります。
- リスクを特定する
- リスクを分析する
- リスク対策の選択と実施（リスクコントロール・リスクファイナンシング）
- リスクマネジメントプログラム
- 実施したリスク対策の評価と見直し
物事には必ずリスクがあるため、要因を見つけ最も適した対応で危険を回避し損失の低減を目指すことが大切です。ゼロになることはないため、早い段階でリスクをあぶり出してリスクコントロールをしましょう。
早めに対策を行えば将来起こりうる莫大な損失を、事前に回避へと導くこともできます。リスクの発生度や顕在化した後の影響度が事前にわかれば、複数のリスクが発生したときにも優先順位をつけて速やかに対応も行えます。
リスクマネジメントごとの対策事例
危険の回避や損害を減少させ、企業の新たな活路を見出すためには様々なリスクがあります。こちらでは様々な分野のリスクマネジメントを紹介します。
自然災害発生時・緊急対策時のリスクマネジメント
- 工場の代替拠点の速やかな決定と発送の再開による顧客対策
- 自然災害による損失以前の利益の維持対策
- 工場設備の補強対応および工場設計の単純化
- 複数の業務を担当できる人材の育成推進
- 地震や流行病におけるBCP（事業継続統計計画）の立ち上げ
海外への新規事業展開のためのリスクマネジメント
- 海外進出時の顧客との覚書の締結
- 中長期的な採算性を考慮した価格戦略への対応
- 法務リスクの対処
情報セキュリティのためのリスクマネジメント
- 日本情報経済社会推進協会のプライバシーマーク取得による従業員の意識改革
- 医療介護の現場におけるヒヤリハットなど過去の事例を踏まえた危機管理対策
分野別でのリスクマネジメント
- リスク対応可能な様々なディフェンスラインの設置
- 社内だけでなく外部からの視点を取り入れた危険回避対策
労働安全衛生マネジメント
- 建築業界における協力会社と一体となった労働安全衛生マネジメント
- 社員への積極的な教育対応
まとめ
リスクの放置は会社へ莫大な損失を招いてしまう恐れがあります。リスクマネジメントは将来の大きな危険の回避や、損失の軽減には必要不可欠な存在です。
リスクのゼロ化は難しいですが、リスクコントロールを実施すれば、会社の被害を最小限に抑え利益の維持も可能となります。リスクマネジメントは社内だけでなく、専門に扱う弁護士に相談をするのもおすすめです。リスクは早期の段階で対応をして、将来の不安を無くすよう行動をしましょう。
（この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです）
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