コンテンツマーケティングの特徴やメリットデメリット、始め方や費用を解説
コンテンツマーケティングは、読者にとって役立つ情報(コンテンツ)を届けることでファンを増やし、集客につなげていく方法。長期的に顧客を増やし、また顧客ロイヤリティを向上させるのに役立ちます。
この記事ではコンテンツマーケティングの基本的な特徴やメリット・デメリット、実際に始める場合の方法や一般的な費用などを紹介します。新たなマーケティング手法を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングの基本
コンテンツマーケティングの基本的な特徴や、コンテンツマーケティングが注目されている背景、活用されるコンテンツの種類などを解説していきます。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングでは、顧客や読者に役立つ情報を発信して、知名度や好感度をあげることで、新規顧客の獲得や既存顧客のロイヤリティ向上につなげていくマーケティング手法です。
通常の販売活動のようにダイレクトに商品やサービスを顧客に売り込む情報発信をおこなわないのが特徴です。
具体例をあげると、次のような手法はコンテンツマーケティングの一環となります。
- 自社製品の使い方動画をFacebookやYouTubeで配信
- 家具販売店が「インテリアマガジン」を郵送
- クラウドサービス提供企業が便利なツールの活用事例セミナーを実施
コンテンツマーケティングが注目される背景
注目が集まっているのには、大きく二つの背景があります。
一つは単純にWeb広告を主体とした従来型のデジタルマーケティングのコストに課題意識をもつ企業が増えたことです。費用は上がる一方でWeb上に膨大な広告が掲載される現代では、以前よりWeb広告の費用対効果を見出しにくくなってきています。
また、デジタルツールの発達やSNSの普及などにより、能動的に情報を収集して、自分で判断して消費行動をおこなう人が増えたことも、その背景にあります。このような風潮の中では、自社の商品を押し付けるように売り込むより、消費者に有用な情報を配信して、自社のことを自発的に知ってもらうことが集客につながる場合もあるのです。
マーケティングに利用されるコンテンツの種類とは
コンテンツマーケティング=メディアでの情報発信、と考えてしまいがちですが、実際にはコンテンツマーケティングにおいては、さまざまな方法で役立つ情報が発信されます。情報を届けたい相手の特性などもふまえながら、適切な方法で情報発信をおこなうことが大切です。
- 自前のオウンドメディア運営
- SEO記事などによる他社メディアへの発信
- セミナー開催
- YouTubeなどへの動画配信
- SNSによる情報発信
- メールマガジン
- 雑誌やリーフレット配布
メリット
コンテンツマーケティングのメリットは次のような点です。
- 資産効果により長期的な広告費の抑制が可能
- 特定分野の専門家として信頼される
- ユーザーが自発的に情報を拡散してくれる
コンテンツマーケティングでは、自社が得意とする分野のコンテンツを一度作成すれば、その内容が陳腐化するまではマーケティング効果を発揮します。豊富なコンテンツを蓄積することが広告費の圧縮につながるのです。
また、コンテンツを発信し続けることで、特定分野の知見を積極的に発信してくれる企業として信頼をえられます。信頼を得ることで、単なる読者が顧客になってくれたり、既存顧客のロイヤリティをさらに高めたりといった効果も期待できます。
現代では、消費者は有用なコンテンツをSNSなどを通じて積極的に拡散します。ダイレクトな商品広告よりも、知識として役立つコンテンツの方が、自然と企業や企業が扱うサービスの知名度が高まるのです。
デメリット
一方で、次のようなデメリットを理解したうえで、長い目で取り組む必要があります。
- 短期的には費用対効果が悪い
- 長期目線で取り組む必要がある
- 広告費以外の見えないコストがかかる
コンテンツマーケティングが直接商品を売り込まない分、読者が企業に共感して顧客化、実際の売り上げに寄与するまで時間がかかります。短期的には費用対効果の悪い手法といえるでしょう。
メリットにあった資産効果が発揮されるためには、長期的に発信を継続し、コンテンツを蓄積していくことが欠かせません。あらかじめ長期戦を想定して予算と要員を計画しておくことが大切です。
直接的な広告費は他の手法より安く済む場合もありますが、良質なコンテンツを作成するためには工夫が必要。とくに自社が得意とする専門性をうまく発揮するために、社内の情報収集や分析、調査などが必要になる場合も少なくありません。作業をおこなう「人」を割く必要があるため、広告費以外の部分でコストがかさむ可能性がある点に注意しましょう。
コンテンツマーケティングの始め方
コンテンツマーケティングは次のような手順で計画していきます。
ペルソナ設計
コンテンツをどのような人向けに発信して、読者から顧客になってもらうのか、人物像を設計します。
コンテンツ設計
コンテンツの内容や、記事・動画などの発信方法を検討します。一つの方法に絞る必要はなく、ペルソナの行動様式や考え方などを踏まえて最適な発信方法の組み合わせを決めましょう。
リソース確保
コンテンツマーケティングでは、予算のほか人材の確保が重要。特にオウンドメディアや記事出稿、動画作成などのコンテンツマーケティングにおいては、コンテンツそれ自体を構築するライター(動画の場合はシナリオライター)を確保する必要があります。
ライターは社内に知見があれば社員でまかなってもよいですが、次のようなチャネルを活用して外部から人を見つけたり、アウトソーシングしたりするのも一案です。
- クラウドソーシングサービスで募集
- アルバイトや契約社員として募集
- SNSを通じて募集
- コンテンツ制作会社に依頼
スケジュールの設定
コンテンツマーケティングは長期戦で望む必要があります。今後どのようなペースでコンテンツを発信していくのか、スケジュールを組んでコンテンツを充実化させていきましょう。
一般的な費用料金相場
コンテンツマーケティングは手法と手間のかけ方によって費用が大きく変わります。
ここではオウンドメディア運営を他社に支援依頼する場合を例に月額費用の相場を紹介します。自社の予算を踏まえて適切な規模で進めることが大切です。
月額10万円以下
- メディアの環境と、マーケティングのプランニングなどは自社
- 記事のライティングだけを外注
月額10万円〜30万円の相場
- WordPressの設置やマーケティングツール提供
- ペルソナ設定など簡易のプランニング
- 記事のライティング
月額30万円〜50万円の相場
月額10~30万円でのサービスに加えて
- 環境構築のサポートまでに対応
- 競合調査や検索順位変動、アクセス解析などの支援
- マーケティング戦略の設計
月額50万円以上の相場
- 環境構築から制作支援、改善施策までワンストップで依頼
- 新規のメディアを一から立ち上げ、運用を全て外注するイメージ
コンテンツマーケティングは長期視点で大きな効果を発揮する手法
商品を直接売り込まず、自社が得意とする分野の知見を発信するコンテンツマーケティングは、効果が出るまで時間がかかるものの、長期的なファン層の拡大や顧客の獲得につながります。
また、コンテンツが蓄積していけば、通常の広告よりも長期にわたりマーケティング効果を発揮してくれるのもポイント。コンテンツマーケティングにチャレンジするときは、長期的な計画をたてたうえでリソースをしっかりと確保することが大切です。
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