フェイシング (fecing) とは
フェイシング (fecing) とは、棚割り作業の中で、商品配置を決定するプロセスのことを指します。棚割りを作る際はグルーピング、ゾーニング、フェイシングの順にプロセスを踏みます。
商品群の配置場所や方法を決めるゾーニング作業の後、商品棚に陳列する商品と、そのフェイス(最前面)に並べる数を決定します。この商品と数を決定することがフェイシングです。
フェイシングの基本は、商品棚の陳列状態を販売量に合わせて調整することです。例えば、売れ筋商品のフェイス数を多くし、売れ行きの鈍い商品のフェイス数は少なくします。
それ以外にも、フェイス数が多くなるほどその商品の売上は増加しやすくなるため、販売戦略の観点から、新商品など重点商品のフェイス数を増加させることもあります。
- フェイス数の増加
- フェイス数の減少
フェイス数を増加させると、その商品の売上が増加する、店頭在庫数が増加するため品薄による機会ロスが防げる、などのメリットがあります。
フェイス数を減少させると、品揃えを拡大できるといったメリットがあります。また、売場効率が向上した商品の場合は、フェイス数を削減しても売上が変わらいこともあります。
フェイシングを適切に行うことにより、在庫管理も適正に行うことができます。欠品による機会損失の抑制、過剰在庫の防止も可能なため、発注・補填コストが削減でき、管理コスト上昇も抑制できる可能性があります。
逆に、フェイシングが適切に行われていない売り場では、大量の商品が陳列されていても売上に結びつきません。
理想は、どの商品も過不足無く同時に売れて行くことです。そのためのポイントは、各商品の陳列量を、各商品の販売量に応じた適切な状態にすることです。
<フェイシングの際のポイント>
- POSデータの適切な管理
- 商圏状況、顧客の嗜好変化のウオッチ
商品によっては、時間の経過と共に売れ行きに変化が生じます。売れ始めてきたらフェイス数を増加、売れ行きが鈍化してきたら削減、とタイムリーに変更していく必要があるため、POSデータなどを適正に管理することが重要です。
商圏の催事時期には関連商品のフェイスを増加させたり、テレビなどで話題の商品のフェイス数を増加させたり、こまめな対応が必要になります。そのため、定期的な来店顧客調査やテレビ、雑誌などマスコミ情報を参考 に定点観測を行う事が重要です。
(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年に加筆修正更新したものです)
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