BtoB企業向けダイレクトメールの始め方と効果
BtoB企業向けダイレクトメールは、企業の担当者宛に商品やサービスの資料を郵送などで直接届ける営業手法です。新規の顧客開拓などに向いていると言えるでしょう。
ここでは、BtoB法人企業向けダイレクトメールの始め方と期待される効果についてご紹介します
BtoB企業向けダイレクトメール
BtoB法人企業向けダイレクトメールとは、サービスや商品の内容を記したものを封書やFAXにて対象企業の担当者に訴求する営業手法です。
この場合のダイレクトメールには、メルマガ(メールマガジン)やEメールは含まれません。
SNSのフォロワーに送るDM(ダイレクトメッセージ)とも別物です。
BtoB企業向けダイレクトメールに期待される効果
BtoBのダイレクトメールに期待される効果の参考として、一般社団法人日本ダイレクトメール協会が発表した調査結果をご紹介します。
項目 | 割合 |
---|---|
開封および閲読 | 0.795 |
※1,019通 | |
未開封および未閲読 | 0.205 |
※263通 |
上記はBtoC向けの調査結果ではありますが、全体の79.5%の方が受け取ったダイレクトメールを開封し、実際に読んだことが示されています。
BtoB(Business to Business):企業から企業(法人)向けの取引
BtoC(Business to Consumer):企業から個人向けの取引
行動 | 割合 |
---|---|
ネットで調べた | 0.08 |
※102通 | |
家族・友人との話題にした | 0.029 |
※37通 | |
店舗を訪れた | 0.018 |
※23通 | |
商品やサービスを購入または利用した | 0.034 |
※43通 | |
資料請求をした | 0.028 |
※35通 | |
問い合わせをした | 0.007 |
※8通 | |
インターネットの掲示板などに書き込みをした | 0.003 |
※3通 | |
会員登録をした | 0.017 |
※21通 | |
その他 | 0.004 |
※5通 | |
特に何もしていない | 0.585 |
※750通 |
ダイレクトメールの開封および閲読をした79.5%(1,019通)のうち、受取人の行動に結びついたのは21.0%(269通)でした。
この中から実際の購買活動などに導いたと思われるのは次の項目です。
- 商品やサービスを購入または利用した:3.4%(43通)
- 店舗を訪れた:1.8%(23通)
- 資料請求をした:2.8%(35通)
- 会員登録をした:1.7%(21通)
- 問い合わせをした:0.7%(8通)
————–合計:10.4%(130通)
ダイレクトメールを受け取ったおよそ10人のうち1人が、購買や利用に結びつくアクションを起こしたことがわかります。
参考資料:一般社団法人日本ダイレクトメール協会
「DMメディア実態調査2021」
https://www.jdma.or.jp/data/research.php
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2022-000021.pdf
BtoB企業向けダイレクトメールの始め方
BtoBのダイレクトメールを始めるためには、次の手順で進めていくことをおすすめします。
- 目標の設定
- 担当者の設定(誰に宛てるのか?)
- 相手からのリアクション
- 送付先リストの入手
- ダイレクトメールの発送
- データの検証
目標の設定
まずはダイレクトメールの利用にて達成したい目標を設定します。
- 新規の問い合わせ;○○年○月までに○○件
- 新規入会者:○○年○月までに○○名
- 資料請求:○○年○月までに○○通
- 新規購入:○○年○月までに○○個(もしくは売上)
前述した調査結果の「商品やサービスの購入または利用した」の3.4%を基準とした際には、10,000通を送付して340通が目標の達成に結びつくことになります。
実際にはより少ない数値が想定されるため、達成率1.0%前後にてコストを考慮すると良いかもしれません。
※10,000通の送付で100通ほど
担当者の設定(誰に宛てるのか?)
BtoBのダイレクトメールでは、担当者の設定が大きなカギとなります。
BtoCのダイレクトメールであれば、訴求したい相手に直接読んでもらうことが可能です。
一方、BtoBのダイレクトメールの場合、次の経路をたどることが予想されます。
ダイレクトメールを受け取った方
⇒ダイレクトメールの用件に関する担当者
⇒担当者の上司
⇒決済の担当者およびその上司
たとえば「株式会社〇〇御中」で送付した場合、ダイレクトメールを受け取った方が誰に渡したら良いのか?迷ってしまうかもしれません。
最悪の場合、開封されることなく廃棄されることもあり得るでしょう。
ダイレクトメールを開封してもらうためにも、「株式会社○○ 〇〇部 〇〇様」のように、部署名と担当者名を宛名に記載することをおすすめします。
相手からのリアクション
ダイレクトメールを読んだ相手のリアクションをどう受け取るか?も設定しておきたいところです。
目標:資料請求、問い合わせ
問い合わせ先:電話、FAX、メールアドレス、公式サイトのメールフォーム
ほかにも、あらかじめダイレクトメールに返信用封筒を封入しておくやり方もあります。
送付先リストの入手
目標設定などが済みましたら、BtoB法人企業向けダイレクトメールの送付先リストを入手します。
- 自社にて作成
- アウトソーシングサービスに依頼して作成
- リスト販売サービスより購入
この中で最も時間の短縮につながるのは、「リスト販売サービス」からの購入です。
ダイレクトメールの発送
ダイレクトメールの作成後は発送作業へと進みます。とはいえ自社にて発送作業まで行うのはあまり現実的ではありません。
通常業務の妨げになる可能性が想定されることがその理由です。
そのため予算の都合がつくようであれば、発送作業を委託できるサービスに依頼することをおすすめします。
データの検証
企業向けダイレクトメールは、1回の送付で希望する結果が出るとは限りません。
ダイレクトメールの送付を定期的に繰り返し、ようやく当初の目標に近づくのが一般的です。
開封率やレスポンスの比率などのデータの検証が、より効果的なダイレクトメールへの進化へと導きます。
まとめ
ここまで、BtoB法人企業向けダイレクトメールに関する次の項目を紹介していきました。
BtoB企業向けダイレクトメールとは?
ダイレクトメールに期待される効果
ダイレクトメールの始め方
企業向けダイレクトメールは、新規の顧客開拓などに有効な営業手法です。
とはいえ瞬時に結果が出るものではないため、ある程度の時間をかけてじっくりと取り組むことが求められます。
当記事がBtoB企業向けダイレクトメールの導入を検討している方にとって、有益な情報となれば幸いです。
(この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです)
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